ごえんびと 第2回 白石 知香 さん

 

ごえんびと

第2回
鈴木心写真館いなわしろ
白石 知香さん

撮影中の白石さん

鈴木心写真館いなわしろのみなさん
白石知香さん  那知上智さん  小山加奈さん

連載コーナー「ごえんびと」
壽徳寺にご縁のあるひと(ごえんびと)にインタビューし、
想いを伺いながらご縁を深めます。

第2回は、鈴木心写真館いなわしろ 白石知香さん。
壽徳寺では、2019年開催精進料理の会の撮影以来、
ヨガなどのお寺の行事、プロフィール写真など、
壽徳寺の様々な姿を素敵な写真におさめていただいております。
猪苗代町内にある写真館にお伺いして、お寺の印象、写真への想いなどをインタビューしました。


お寺のイメージ

―――精進料理の会からのご縁ですね。お寺からの依頼をどう思いましたか?

 嬉しかったです。ご依頼いただいたのが、いなわしろ写真館始まって間もない時期でしたので、「写真館を知ってくれている人がいるんだ!」と思い、とても嬉しかったです。しかも同じ猪苗代ですし、私個人としても精進料理にも興味あったので嬉しいご縁でしたし、撮影させていただいてとても楽しかったです。
 その後、ヨガとか、プロフィール写真の撮影もさせていただき、毎回いろんなことを教えてくださって、仕事というより楽しみと学びに行っているような気がします。精進料理の時も修行中のお話とか、知らない世界のお話を聞けて楽しかったです。

精進料理の会

護摩の写真

ヨガの写真

―――お寺にどんな印象がありますか?

 個人的には今まで年末年始のお参りなどに行くのは神社の方が多かったです。
お寺はお葬式やご法事というイメージが強くて、年配の方が行く場所という印象を持っていました。ですが、妙仁さんのプロフィール写真撮影で、護摩のおつとめをしている場面に立ち会わせていただいて、「お寺でお願いごとのお参りもできるんだぁ」と新たな発見で、お寺でのお参りもいいなと思いました。
 それに、妙仁さんとお話してお坊さんのイメージも変わりました。お坊さんというと、気軽に話かけていけないような気がしていたのですが、悩み相談とかお話しているといろんな気づきもあって嬉しいです。

 

撮った日が記念日

―――写真をはじめるきっかをお聞かせください

 高校の時に写真部に入っていました。祖父が持っていたカメラを毎日持ち歩いて、いろんなものを撮っていたんです。大学でも写真部に入りましたが、純粋に撮ることが好きで、それを仕事にしようとは思わず、卒業後は一般企業に就職もしました。何年か経って東京から福島に戻った時に、写真スタジオでの求人があり、写真好きだしいいかなと思って就職しました。その時はカメラマンではなく、アシスタントやスタイリストなど撮影の手配や準備など裏方の仕事でした。写真は好きでしたが、カメラマンとして働こうとは思えなかったですね。撮るのは楽しそうだけど、大変そうという思いの方が勝っていました。
 その後、写真スタジオも辞めたのですが、鈴木心さんの写真館にお客さんとして行き、ワークショップにも参加して、いつの間にかスタッフとして入っていたという感じです(笑)

撮影の様子

写真はその場でプリント

―――いなわしろ写真館は、3人で活動されているのですよね?

 はい。鈴木心さんが福島県内や都内などでワークショップを開催されていて、そこに参加していた福島出身の3人で活動運営しています。もともと鈴木心さんのアトリエ(通称:赤い家)で、いなわしろ写真館として2018年にスタートしました。私達はあくまでも鈴木心さんのサポートスタッフとして入っていましたので、まさか3人だけで写真館をはじめることは想像もしていませんでしたし、スタート時点は、戸惑いや不安もありました。

 新しい場所で新たな仕事の立ち上げは大変なこともありましたが、鈴木心さんとの繋がりで多くの新たな出会いがあり、その繋がりで輪がひろがり、私達自身の今の活動の糧になっているなと思います。ひとりではできないことも3人寄れば文殊の知恵で、3人いたからこそ、ここまでやってこられたと思います。

撮った日が記念日

 

―――鈴木心写真館の写真は、ひとりひとりの表情が豊かで、
個性が溢れる素敵な写真が印象的ですが、撮影時に大切にしていること、コツなどはあるのですか?

撮影の様子

 コツはないんです(笑)お客様とお話をしながら撮影をしるだけなんです。撮る側がお客様の魅力を引き出すというより、お客様それぞれが持っている魅力、時間、空気感を撮影させていただいているという感じです。お客様とのお話の流れで撮影していますので、コミュニケーション能力に長けているとか技術力が云々というより、お客さまとの会話の時間、お客様ご自身が持つ空間を大切にしています。

 鈴木心さんもよく言っているのですが、撮る側がこんな表情で撮りたいとか、こんな写真を撮りたいというのではなく、お客様が自然と導いてくださる、魅せてくださっている。その瞬間にシャッター切っているだけなんです。撮る側がかける一声で、お客様が私達にご自身を魅せてくださるのですよね。

 突拍子もない質問を声掛けすることもありますが(笑)、その瞬間にお客様の動きや表情もガラッと豊かに変わり、素のご自身をこちらに出してくださるんです。その時は私達も嬉しいですし、楽しい瞬間ですね。鈴木心さんの撮影は、撮る相手を元気にさせる、イキイキさせるんですよね。私達もそんな撮影ができればいいなと思っています。

 

―――コロナの影響はどうでしたか?

 4月5月は全く動きがなかったですが、これまでを振り返ったり、これから考えたりした時間で、自然とそんな焦りはなかったです。東京にも店舗があるので、東京の対応や事情も知りつつ、対策できたのはよかったなと思います

家族で写真を選んでいる様子

どれも素敵な写真です

―――これから予定していること、考えていることなどお聞かせください

 いなわしろ写真館には、写真館での撮影すること自体、初めての経験する方も多くいらっしゃいます。これまでは出張写真館なども開催し、いろんな方に体験していただいてきましたし、これからも多くの方に体験していただきたいですね。写真館での撮影では、写真のセレクトもお客様と一緒に行っています。この時間が楽しいです。モニターを見ながら撮影時の会話を思い出して、この時間が一番盛り上がっています(笑)。ぜひみなさんに体験していただきたいですね。

 私達も鈴木心さんと出会って、写真に対して新しい価値観が生まれました。今度はその体験をお客様に体験していただきたいなと思っています。記念日だから写真を撮るという考えが普通だと思いますが、「撮った日が記念日」にしていただけるような時間をご一緒できればと思っています。
これを読んでくださっている皆様もぜひ遊びにいらしてください

 

――ありがとうございました。これからもよろしくお願いします

プロに撮影をお願いし、自分では撮れないいい写真を残しておくのも、お寺の広報として大事であると考えています。これまでも行事や広報用に撮影をお願いしてきたものそんな想いからでした。
 なかなかお寺の行事も開催できない状況ですが、お寺に来た記念の写真をこれからもたくさん残してゆきたいと思っております。いつか、「壽徳寺 出張写真館」も開催したいと思案中です。その際はまた改めてお知らせいたします。

*2021年3月9日 写真館にてインタビュー

インタビュー記事 PDF版のダウンロードはこちらから


◆【鈴木心写真館(すずき しん しゃしんかん)とは】
広告写真から映像制作等多方面で活躍されている、福島県郡山市出身の鈴木心さんの写真スタジオ。
現在、東京と福島に写真館をもつ。
福島では、東日本大震災後に「出張写真館」として県内のイベントスペースなどで写真撮影会を開催。その後、当時スタッフとして携わっていた県内在住の白石知香さん、那知上智さん、小山加奈さんが福島での活動を引き継ぎ、2018年から猪苗代町で「鈴木心写真館いなわしろ」をスタート。
現在も写真館での撮影だけでなく、カフェなどでの出張写真館、ロケーション撮影など、いつでもどこでも、どなたでも、「撮った日が記念日」になる写真館として活動中。


白石知香さん プロフィール

鈴木心写真館 ホームページ http://ps.suzukishin.jp/

1980年、須賀川市生
広告制作会社を経て、出張鈴木心写真館を体験。お手伝いの気持ちから始め、ワークショップに参加。気づけば福島での鈴木心写真館の運営、そして撮影スタッフに。子供時代の徒歩通学往復三時間と、二児の子育てを通じ、予想外のハプニング にも動じないメンタルで明るく楽しく撮影しています。

一番左が白石さん