三密な一年

【三密な一年】
本年も壽徳寺ホームページへ
アクセスありがとうございました。
行事のご参加、ご協力、ご愛顧ありがとうございました。

壽徳寺と住職にとって、
今年はまさに「三密」な一年。

三密とは、真言宗にとって大事な教え。
根っこになる教えです。

・身密(しんみつ)
からだを整えること
・口密(くみつ)
言葉を整えること
・意密(いみつ)
こころを整えること

この三つの密教の修行を重ねることで、この世でも仏さまのようにこころ穏やかに過ごすことができる。
という、真言宗の根本の教えであります。

コロナ禍により、
密集密接密閉の「3つの密」が流行語大賞になった今年。

真言宗の三密を知っていただく機会として発信したブログによって、多くの方に知っていただく機会をいただきました。
新しいご縁、懐かしいご縁、
予想もしない繋がりをいただきました。

真言宗の三密を改めて考え、
三密を体感する一年。
多くのご縁と学びの一年でした。
ありがとうございます。

「密」とは漢字の意味として、
隙間がないという意味もありますが、
密やか、言葉に言い表せないという意味もあります。
密教の密も、言葉では言い表せないような境地に至ることを意味しています。

言葉にしたくとも言えない、
言いたくとも言えない、
話せる場がない、
話したい人と会えない、
密接になりたくともなれない、
自分の内側を見つめ、
こころ密やかに過ごしたのが、
今年一年だったのではないでしょうか

言葉にすることがすべてでない、
言葉にしなくとも大事にすることはある、
心密やかに内側であたためる時間を大切にすることで、芽吹き花咲くものがある。

そんな内側で種をあたためる一年。
この一年がきっかけで、
芽吹き、花咲き、実になるときがきっと来る。
ひとそれぞれのタイミングで。
私はそう信じています。

今年一年
ご縁をありがとうございます。
来年が健やかで実りある一年となりますように。
よいお年をお迎えください。

壽徳寺 住職 松村妙仁
合掌

真言宗の三密

感染症対策の「三つの密」と真言宗の「三密」

コロナウイルスの影響が広がり、不安、心配、心惑わされる毎日ですね。

感染拡大防止に大切なことは、自分自身が感染しない、ウイルスを拡散させないこと。ポイントとして、手洗いうがいの励行と共に「3つの密」を避けることが大事であると言われていますね。

密閉(換気の悪い密閉空間)
密集(多数が集まる密集場所)
密接(間近で会話や発声をする密接場面)

 

真言宗の三つの密

この「3つの密を避ける」という言葉を聞いて私はドキッとしました。
それは、真言宗では「3つの密が大事」であると言われているからです。その三つは、

 

◆身密(しんみつ)
身=からだ、行動

◆口密(くみつ)
口=くち、言葉、発言

◆意密(いみつ)
意=こころ、考え

 

です。この三密(さんみつ)を大事に修行を重ねてゆくことが真言宗の根本であります。

からだの状態や行動、言葉を正しく整えれば、自ずと心も整えられる。三つのバランスを大事に、三密を研ぎ澄ます修行を重ねることで、仏様のように心穏やかに過ごせるという教えです。

*真言宗宗祖 弘法大師 空海

 

社会での三密修行

私達の実生活において、三密の修行とはどのような修行でしょうか。私が思いつくものを挙げてみます。

 

◆身密(からだ、行動)

・自分の行動を見直し、大事なものを見極める
・自分勝手な行動はしない。自分さえよければそれでいいという気持ちで行動しない。
・みんなのいのちを守る行動を取る
・できる範囲でからだを動かす
・手を洗い身を清める

◆口密(ことば、発言)

・自分の言動を見直し、正す
・自分の事を棚において人の悪口ばかりを言わない(インターネットに書き込まない)
・人の揚げ足をとらない
・電話やインターネットなどを通して友人とたわいもない話をして気分転換する
・ありがとうと感謝の気持ちを口に出す
・うがいをしっかり行い、口を清める

◆意密(こころ、考え)

・自分のこころの揺れ動きを観察する
・こころをありのままに見て、自分に気づく
・一歩立ち止まってこころを見つめる
・様々な情報をむさぼり、こころ惑わされない
・自分だけでなく他者に気配りをする
・今できる範囲で、自分がリラックスできること、こころが豊かになることをやってみる
・深呼吸をしてこころを落ち着かせる

 

二種類の三つの密

外出や行動が制限され、息苦しくも感じますが、生き方や働き方について改めて見直す時間をいただいたように感じています。

避けるべき距離の「三つの密」
守るべき自分の心の「三密」

人と人、近くにいなくとも、
大切な人とは心と心でつながっているはずです。
自分と大切な人、生きとし生けるものすべてを守るために、自分ができることを大切に、それぞれの密を心に留めて生活してゆきたいですね。

合掌